「南男猿」製作の想い出

 一昨年の年末にガルヒ就労支援サービス合同会社のホワイトマーリンでお世話になって早いもので1年と9ヶ月になろうとしている吉田と申します。

 こちらに入所する前は宮崎の民芸品である南男猿(なんおざる)を造っていました。昔からある民芸品で蘇鉄(ソテツ)の実から出来ていて、40代以上の方なら多分知っているかと思います。

 昔は小学生のランドセルにつけたり、アクセサリーとして普段から身近にあるものでした。お猿さんの顔をしており、中から鈴の心地よい響きがするのでそれも魅力だったのかもしれません。

 以前は都城の方が製作されていたそうですが、高齢で製作が困難になり後継者を探されていたそうで、前にお世話になっていたA型事業所にたまたま縁があって、その仕事を引き継がせていただくことになりました。

 事業所の利用者さんたちは、当然その作業をやらねばならずマニュアルもないまま、一から完成品を見ながら一つ一つ工夫したりして、ようやく完成に漕ぎ着けたことを懐かしく思います。もちろん失敗も沢山しましたが、その全工程に携われたことで愛着も生まれやりがいのある仕事でした。

 私の担当は機械で蘇鉄に穴を空けたり、お猿の顔の部分を彫ったりする作業で気の抜けない工程でしたのでかなり神経を使いましたが、次第に慣れていき楽しみさえ感じる毎日でした。

 作り方を簡単に説明すると中の実を取りやすくするため、蘇鉄(そてつ)にドリルで穴を開け、中身を手作業でくり抜いて、その中に鈴を入れて乾かし、最後にニスを塗って仕上げます。その工程は30以上ありまさに気の遠くなりそうな作業でした。

 ノルマもありスピードも求められていたので、そのために工夫とアイデアを皆さんで出し合って作業をしていたのを今更のように思い出します。

 いまはパソコンを使ってデザイン中心の仕事をさせてもらっていますが、ものづくりと似たようなところがあります。1+1の答えが2になるとは限らず、3になったり、0になったり、またその時の自分のコンディションもあったりと、まさに何かを生み出すための工程は右往左往、試行錯誤の連続です。

 でも何も浮かばなかったり、逆に混乱したり、収拾がつかなくなってきても不思議なことですが、光が見えてくる瞬間があるんですね。その瞬間を逃さず行動すると自然とスムーズに仕事が進むんです。不思議ですねぇー。

 長々と書いてきましたが、今月より継続支援A型からガルヒさんの方で一般雇用をさせていただきました。有難うございます。

 まだ試用期間中ですが、A型の時にお世話になったスタッフの方々には大変お世話になりました。これからも体調に気をつけながら頑張っていきたいと思います。

ガルヒ就労支援サービス

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